アメリカでは爆発的にコロナウイルス感染が拡がっており、厳戒態勢が続いています。そんな中、アメリカ東部ニューヨーク州の隣にあるコネチカット州で生後6週の赤ちゃんが亡くなりました。かなり衝撃的で周りはさらに悲しみモードです。最初はお年寄りの人や基礎疾患のある人が危険だと言われていましたが、ここのところ若い年代にも影響があるというエビデンスも出てきています。
ニュースの詳細
先週、2020年3月末にコネチカット州で生後6週の赤ちゃんが亡くなりました。病院に搬送され、回復することなく亡くなってしまったそうです。その後COVID-19のテストで陽性の結果が出ました。その赤ちゃんがそれ以前に健康の問題を抱えていたかについてはまだわかっていません。おそらく現時点でのCOVID-19による死亡者のうち、世界で最も若い犠牲者となってしまいました。同じ乳児をもつ親としてはとても心が痛みます。
アメリカにおける飲食店や学校の閉鎖
アメリカではレストラン(デリバリー・テイクアウトは除く)やネイルサロンなどの生活に必須でないサービス機関の閉鎖が政府より命じられています。
開いているスーパーでも以下の措置が行われています。
- 人と人との間で一定の距離を保つこと
- 店に入る客数の制限
- レジ袋税撤廃によるエコバッグ持ち込みの抑制(消毒ができないため)
- カートの消毒
少なくとも私の周りではSocial-distancingの措置が徹底されています。学校もしばらく閉鎖され、小学校などもオンライン授業に切り替わりました。
日本は強制力がない
東京都で飲食店やイベントへの自粛要請、リモートワークの促進が提言されましたが、諸外国と異なり日本では法律により強制することができません。あくまで要請なので、それを守らなかったとしても(現状)何の罰則もありません。個々の判断で営業を続けることができてしまいます。
母への助言は無駄だった…専門家の意見よりも上司の判断が優先
私の両親が住んでいる場所のすぐ近くまで感染の報告が迫ってきています。その地域でもすぐに感染が拡がることが簡単に予測されます。母は教育関係の仕事をしており、子供やその親とせまい部屋で濃厚接触することになります。こんな状況の中、本部から通常通り営業を行うようにお達しがあったそうです。信じられません!!
通常営業が再開されたら自己防衛なんて無理です。ひとりでも感染者がいたら確実に拡がります。感染するかしないかはもはや運任せです。両親は60代ですし、90代の祖母の面倒も見ています。できる自己防衛は家で待機することのみです。
お願いだから行かないでくれと頼みましたが、「迷惑がかかるし、上の命令だから。まあ様子は見るよ。」と真剣に考えてもらえませんでした。私は大学で急遽できた医師・診断検査・疫学・公衆衛生・ウイルス学・免疫学などの研究者らで構成されるCOVID-19研究グループの一員で、日々アップデートされる情報をチェックしています。そしてこのウイルスはまだわからないことがたくさんあります。そんな娘の意見よりも、専門知識もなく現場のことを知らず利益が大事な上の判断が優先されるわけです。なんだか虚しいです。しつこく言い続けてはみますが…
無事を祈る
アメリカから日本のニュースやツイッターを見ていると、こちらとのギャップがすごくて日本の平和ボケが心配になります。この期に及んで自分には関係ない、暇だから遊びに行こうと言って感染を拡大させるような行動をとるのは控えていただきたいです。後から「あのときは心配しすぎたね」と笑う分には良いですが、自分や大切な人が発症したときに後悔するのでは遅いですから。節度ある行動をしてほしいです。
日本にいる私の大事な人たちが無事であることを祈っています。