まずは1人目。私より2週間後に入った職員(アメリカ人)がある日突然来なくなった…
こんにちは、ぼっちゃんママです。子育てしながら仕事(研究)しています。
書き出しがホラーっぽくなってしまいましたが、今回は私が所属する研究室(ラボ)に入ってすぐに起こった衝撃の事件を紹介したいと思います。
当時のラボの構成
- ボス(PI)♂:アメリカ人
- ポスドクH♂:インド人、8年目
- ポスドクS♀:中国人、9ヶ月目
- 私♀:日本人、2ヶ月目
- ラボマネジャー♂:アメリカ人、2ヶ月目
いたって普通の小さめのラボです。
研究室に入ってすぐのラボの印象
私がアメリカに来てすぐに所属したラボなので他を知りませんでしたが、日本にいたときはいつもブラックなラボにいたせいか「あー、なんて自由なんだ。行動よりも結果で評価されてるし、自分の意見を主張することがウェルカムって本当なんだ。」と最初からとても快適でした。
メンバーは皆気さくで、すぐに馴染むことができました。ポスドクSとは今や超仲良しで、実験のこと以外にも家族のこと、子供のこと、その他何でも話せる仲です。
ラボマネジャー(ラボマネ)とは
ラボによってもラボマネの役割は異なりますが、基本的には試薬・在庫・発注・機械等の管理、セミナー等の準備、その他諸々の雑用、ときには実験などボスに頼まれたことをする場合があります。ラボマネが研究室運営の鍵を握っているケースも多く、ボスより偉かったりすることもあります。そのくらい大事な職です。
私が入ったあとすぐに来たラボマネは、ボスから「タンパク質の精製もできる優秀なラボマネがくる。これでこのプロジェクトも動かせるし…」と、来る前からかなり期待されていました。実際ミーティングでは実験に関する質問などもしていて、ボスから実験も頼まれていました。
なんだかあやしい雰囲気…
ラボマネ、人柄は良いんですがすごくゆったりしているんです。それに対してボスはせっかち。だんだんボスがイライラしてきました…
「これはまだか?あれはまだか?」ってしょっちゅう言い始めます。
そしてある日、頼まれていたボスの実験でミスをしてしまいました。しかも2日連続同じミスを…キットもそれなりの値段はしますがそこまでバカ高くないし、数日遅れた程度でやり直しはきく実験なのですが、ボスは「フ○ック」と言い捨て出て行きました。こういうの慣れてますが、見ていて気持ちのいいものではないです。
そしてついにきたXデー
この日のことはよく覚えています。細胞培養をしながらポスドクSと仲良くお喋りしていたら、突然ボスが部屋に入ってきて
「難しい選択だったが、ラボマネは今日からもう来ない。彼は僕が言ったことをなかなかやらないし、いっぱいミスをした。彼にお金を払う余裕はない。残念だがそういうことだ。」って。
マジか。ショックでした。…こんな即日解雇が本当にあるのか!
もし今また同じことが起きたとしても何も驚きませんが、なにせアメリカに来て2ヶ月で同僚がクビになるなんて。しかも即日クビになるなんて思いもしませんでした。ポスドクをクビにしたい場合は3ヶ月前に知らせなければならないという契約があります。彼の役職の場合はわかりませんが、彼もまだ来て二ヶ月…とても短かった… This is America!?
保険どうなったんだろう…
アメリカの保険制度は日本ほど優れていません。医療費はかなり高額で、保険会社によってカバーされる内容も全く異なります。私が勤めている大学の保険はかなり良いもので、雇用主の負担は大きいですが、医療費のほとんどがカバーされます。
そのラボマネの奥さんは2ヶ月後に出産を控えていました。奥さんはそのとき働いていませんでした。大学の保険はクビになったその月末に終了します。どうなったんだろう…
誰かがアメリカ人なら失業保険みたいなのがあるんじゃないの?みたいなこと言っていましたが…タイミング最悪ですよね。
後日談
ラボをやめてから数週間後にポスドクHに連絡があったそうです。その人は彼の就職活動の相談に乗っていたらしいのですが、ある日突然電話がきて
「プレゼンしたいことがあるんだけど、家に行ってもいいか?」
と言われたそうです。もちろん断りましたが、用件をきいても答えず上司に電話を繋ぐの一点張りで…マルチ商法的なやつでしょうか?その後ポスドクSにも同じ連絡が…危なそうなので皆関わるのをやめました。アメリカ人でスキルのある人でも、タイミングが合わないと職探しは大変そうです…
明日は我が身
厳しい世界です、容赦なくクビにされます。そしてこれはまだ始まりだった…今はまだボスとはうまくやっていますが、私もいつクビになってもおかしくありません。
ちなみに現在、私はマイペースにそこそこ快適に過ごしています!(自己紹介はこちらの記事から)
この話にはまだ次があります(笑) ではまた今度。