普段は他のウイルスの基礎研究をしていますが、現在は急遽COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2に関する基礎研究をしています。
ほとんどの研究者は、いつも自分で時間を管理し働いていますが、現在はチームで研究をしています。慣れません…
研究でよく使用する言葉
コンタミ
コンタミネーション(contamination)の略。意図しないものが混入すること。汚染されること。細胞培養のコンタミで多いのは細菌、酵母、真菌(カビ)など。違う細胞が混入した場合もコンタミと言う。
ラボ
研究室(Laboratory)のこと。英語では〇〇’s Labのように言うことが多い。
現在の研究状況
私が所属するラボの規模は小さく、現在はボスを含めて合計3人です。今は研究というよりも実験・作業と言った方がしっくりくる気がします…
自分の研究は完全にストップし、社会のニーズに応えるべくラボメンバー全員でプロジェクトを進めています。ボスが各人の実験のリストを毎日作成し、スケジュールを調整してラボメンバーが会うことないように各々が実験を進めています。時間や実験手順を全て自分で管理できないので、思い通りにいかないことがたくさんあります。慣れないことをするのは疲れます。
今私は細胞培養を主に任されているのですが、その量がえげつないです…そしてプレート(15cm dish)が大きい!!
私の手はXSのグローブが少し余るくらいの大きさですが、とにかく扱いにくいです…
細胞がコンタミしたときボスに言われたのは…
多くの細菌と異なり、ウイルスは増殖に宿主が必要です。なのでウイルス実験には細胞培養が欠かせません。
週末に細胞をチェックしていたら、1種類がコンタミしていることに気がつきました(たぶん細菌)。他の細胞は大丈夫でしたし、結果的にこの細胞はたいして重要でなかったので良かったのですが、資源と時間を無駄にしました。
とりあえずボスに電話して謝ったときに言われたのが…
That’s ok. It’s not the end of the world.
いや、私もそこまで深刻に捉えてません…笑
私はネイチィブじゃないのでどういうニュアンスで言ったのかまではわかりませんが、ちょっとほっこりしました。
コンタミの原因はわかりませんが、起きるときは起きるものです。が、今じゃなくても…。今回のは私が培養したときにコンタミさせた気がします。いつも気をつけてはいるのですが、ぼっちゃん(と夫)が家で待っていると思うと「さっさと終わらせて帰りたい」という気持ちがどうも先行してしまいます。
自分が感染しないためにしていること
- トイレは家で済ませておく
- 余計なものは持って行かず、なるべく短時間で仕事を済ませる
- ラボには車で行く
- 車からラボまではグローブをはめ、ドアノブなど直接ものを触らない
- 着いたらグローブを捨てて手をよく洗い、手とスマホとカードキーのエタノール消毒をする
- ラボで人に会わないように予め時間を調整し、用があるときは電話をする
- 顔や髪の毛には絶対触れない
- 終わったら行きと同様にして車に戻り、家に帰る
- 帰宅後は手洗いうがいをし、すぐにシャワーを浴びる
- バイオセーフティー講習会に参加する(オンライン)
さすが大きい大学なだけあってStay Home, Work from Homeが徹底されているように思います。いつもは廊下を歩くと誰かしら友達に会っていたのに、今はほとんど人を見ません。寂しいです。ラボの同僚とは毎日のようにメッセージのやり取りをしていますが、オンラインミーティングで顔を見ると会いたい気持ちが強くなります…なんか恋人みたいだ笑