子育て向いてないぼっちゃんママの研究記録

アメリカで共働き。東大卒、元大学教員の研究者。子育てには向いていませんが、楽しむ努力をしています。

隣のラボは白く見える。転職活動はじめました!

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私はブラックな職場が好きなわけではありません。ましてやブラックな状況に耐えている自分が好きなわけでもありません。

私の大学院博士課程は控えめに言ってブラックでした。その後教員として就職した大学もブラックでした。アメリカのラボ(研究室)に来てホワイトになったと思っていたのですが、どうやらそうでもないようです…
とある理由から現在転職活動中なので、次こそはホワイトなところを選びたいと思っています。

私は比較的典型的な医学系基礎のラボに所属しています。ラボと言っても分野やボスによって雰囲気は全く異なるのですが、どんな感じなのか想像しにくいと思うので「こんな感じのラボもあるんだ~」って興味を持ってもらえたらなと思います。

 

ラボ転職活動の理由

転職活動を始めました。ブラックではなくホワイトなところに行きたいです。

別に今のラボに嫌気がさしたわけではなく、転職活動を始めた理由はお金です。研究業界ではお金の切れ目が縁の切れ目です。

私の給料はグラントから出ている

研究は、国や企業・大学からお金(グラント)をいただいて行っています。国やグラントの種類、所属機関や雇用形態によっても異なりますが、基本的に研究者(ポスドク)の給料はそのグラントから出ています。
特に研究に重点を置いている大学や組織の場合は、グラントがなくなったらまずはボスが研究者を雇えなくなり、最終的にはラボがなくなります(自分でグラントを書いてボス以外から給料をもらうこともできますが、研究に集中してほしいという考えのボスもいます)。

この業界の転職は別に珍しいことではない

今回はボスのグラントがあやういなと思ったので、追い出される前に就職活動を始めたということです。
自分の予定より早く今のラボを出て行くことになりそうですが、もともとのキャリアプランとして違う分野にチャレンジしたいと思っていたので、良いタイミングなのかもしれません

 

ボスがやらかした

ボスは相当ストレスが溜まっていたんでしょうね。共同研究者からのメールへの返信に今の状況の大変さやグラント状況、愚痴をたっぷり書き込んだメールを私をccに入れたまま送信してしまいました。
私は「ん?これは遠回しに何かを伝えたいのか?共同研究者の質問に答えてないしただの愚痴じゃん笑。やっぱグラント危ないのか就職活動頑張ろう!」と思っただけで特に反応せず無視していたのですが、ボスは焦ったようです。

5日後くらいに間違えて私にも送ってしまったことに気がついたようで、びっくりするような勢いで謝ってきました。すごい反省しているようです。言葉遣いも丁寧です。ネイティブが本気で謝るとこういう英語になるのか〜って思いました。ボスと研究の話をするのは好きですが、慣れないことを言われると反応に困ります。
ボスは、同僚(今はその同僚とボスと私の3人しかいない)にもこのことを説明し、同じように謝ったようです。わざわざ自分から言わなくても良いのに、私たちが仲良しなので筒抜けになっていると思ったんでしょう(正解)。

その前から同僚とは「一緒に転職しよう」という話をしていたので別にびっくりすることではありませんでしたが、本気度は変わりました。ボスは私たちがいなくなると困るので丁寧に謝ったんだと思います。最近のボスはグラントのストレスとCOVID-19関連の忙しさから普段よりも無礼でしたが、それも反省しているようです。

 

ボスに転職したいことを伝えた

転職活動をするときは転職先を決めてから伝えることが多いと思いますが、これはちょうどいい機会だと思い、近いうちにラボを移るつもりであることと、その際に推薦状を書いてくれるどうかを確認しておきました。
ちょっとずるいかもしれませんが、ボスのサポートがあった方が次のラボを探しやすく、プロジェクトの見通しも立てやすいと思ったからです。
「伝えてくれてありがとう。もちろん全力でサポートするけどそれはお金のことを心配しているから?このラボが嫌だから?…(以降しばらく続く引き止めようとする言葉)」と言われましたが、「これはもともとのプランであって、あのメールは関係ないし(ちょっと嘘)、このラボもボスも好きだ(これは本当)。サポートありがとう。」と伝えました。
お互いにとって良い形で転職が出来れば良いなと思います。

 

今のラボはホワイトだと思っていた

今はプライベートな時間がたくさんあること、仕事時間や行動ではなく結果で評価されることに幸せを感じています。ボスにも良くしてもらっています。今はCOVID-19の影響で自分の研究はストップしてしまいコロナウイルスの研究をしていますが、たいした問題ではありません。

別に不満があるわけではないのですが、他のラボの友人たちと話していたらホワイトだと思っていたのにそうでもないことに気がついてしまいました。というか前から気がついてはいたけれど、日本のときの職場に比べたら断然ホワイトだし、今までの癖で全てポジティブに変換していました…

確かにボスはしょっちゅうキレるし、人に当たります気分の上下や好き嫌いが激しいです。今までにも何回かパワハラ・アカハラで訴えられていて上から呼び出しもされているそうです。
そう言われてみると他のラボがすごくホワイトに見えてきた!!

別にボスの性格でラボを選んでいるわけではないですし、そういう時は適当にスルーしていました。当然不快ではありますが、今の生活は幸せだし、ボスも紳士的な時だってあるんです。幸い同僚にはいつも恵まれていて、共感できる人がいます。

 

ラボがブラックになりやすい理由

ずっとブラックなところにいたので、この業界の悪いところが少し見えてきました。ラボはブラックなところが多いと言われていますが、考えられる理由を挙げました。

常にグラントを獲得しなければならない

ボスはグラントを獲得し続けなければ、研究も継続できないし人も雇えません。ボスは少なからずプレッシャーを感じています。そのストレスから要求がエスカレートしやすいです。

ラボは孤立している・ボスの性格に影響される

ラボのことはそのラボにしかわからず、他人が口出しするのが難しいというのも理由のひとつだと思います。1つのラボが中小企業みたいなもので、ボスが社長だと考えてもらえばわかりやすいかもしれません。誰かが訴えたとしても、ボスが注意されるだけでたいして効力はありません(よっぽどひどければ閉鎖もあり得ますが)。またボスとの距離も近く、上司の性格や考えがそのままラボの雰囲気に影響するので、そう簡単にラボの雰囲気は変わりません。

研究者は業績がないと、この業界で生きていけない

研究業績とは第一に論文、そして学会発表、グラント、招待講演、受賞、著書、特許取得などがあります。論文がないと、研究者としては生きていけません。この業界で次の就職先を見つけることもできなくなります。皆論文が必要なので「論文出せないぞ」という脅しがよく効いてしまうんです。
論文は1人で出すものではありません。ラボに所属してそこのお金を使って実験している以上、ボスの同意なしに論文は出せません。ブラックな状況に耐えてしまったり、ボスに強く言いづらいという状況が生まれやすいです。

医学系大学がブラック

医学系大学では命に関わることを扱うので、真剣に取り組まなくてはならない場面が多々あります。確かに私が教員だったときも、怒りはしないものの厳しく注意しなければならない場面はありました。例えば患者に重い病気の話をしている近くで大声で笑っているとか、ふざけていると危険な場面なのに気がついていないとか…
怒る教員も多いですし、たとえ自分に非があったとしても注意されるのはばつが悪いですよね。それがブラックさと紙一重なのかもしれません。理不尽に怒られることにも慣れてしまうので。その流れを引き継いでいるのかもしれません。

  

私がブラックなところを選んでしまうのは自分のせいなのか?

アジア人はブラック耐性がある人が多い?

私のボスは全員平等に接してくれますが、ボスの態度がアジア人とそれ以外で違うラボもあります。もちろん個人の性格があるので人種で全ては語れませんが、傾向としてアジア人はよく働きます。なのでつい要求しちゃうし、あまり訴えることがないというのをわかっているんです。アメリカ人は訴える人が多いし、特に学生に訴えられるとかなりマズイです…

自分はブラックなところしか選べないのか?

私がブラックなのに慣れてしまっているのと、耐えられてしまうのが良くないのでしょうか私は別にブラックなところが好きなわけではないし、ホワイトなところに行きたいとずっと思っています。それでもホワイトなところを選べないのは自分のせいなのではないか、自分にブラックな気質があるのではないかと思えてきました…

ホワイト企業への転職に成功した友人は「ブラックなところにいた時は選んだ自分に原因があると思ってたけど、そんなことはない。もしあるとしたら相手をあまり疑わなくて、正直で素直で忍耐強いんだと思う。それを悪用するボスが悪い。」と言ってくれました。ありがとう!!
自分のこととなると悪い方向に考えてしまいがちですが、冷静に考えてみれば、同じように悩んでる友人がいたら ”それは友人が悪い" だなんて思いません。

 

次はホワイトなところに行きたい

自分にできることはただ行動を起こすことのみ。せっかく転職するなら次こそはホワイトなところへ!という思いです。ですが、次にまたブラックなところに行ってしまっても、あまり自分の首をしめすぎないようにしようと思います。

 

どうやったらホワイトなところを選べるの?

研究内容はもちろん重要ですが、せっかくなので今回はホワイトさも調べたいと思っています。ラボメンバーの意見は参考になるのだろうか(もし本当にブラックだったら、情報元がバレるしよく知らない人には絶対話さない)。

ホワイトなところを経験していないので正直何をどう調べれば良いのかわからないし、具体的にどういうところに行きたいのかと言われるとよくわからないのです。とにかくホワイトと言われるところに行きたいです。方向性が迷子です。どうしたら良いんでしょう

 

以上、現場からお伝えしました。
いつも誰かの役に立つ情報を共有しようと心がけているのですが、今回はただの現場レポートになってしまいました。何か良いアドバイスがあればいただきたいです。

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