真面目な話。※毒舌
タイトルを読んで胡散臭いと思った人、良いですね。正しい情報を得るための注意喚起をしたいと思い、あえてこういうタイトルにしました。
本記事の目的
タイトル通りにCOVID-19の感染対策だけを書くつもりではありません。もちろん現時点での正しい情報を提供しますが、情報は日々更新されます。本記事が正しい情報の調べ方、情報の捉え方を考え直すきっかけになれば良いなと思います。
多くの人が信じてしまっている(?)こと
「お湯でコロナウイルスの感染予防」というデマ情報の拡散があったそうですね。これ本気で信じる人いるんですか?
そこまで極端でなくとも、品薄状態が続くマスクに関しても同様です。
マスクの使用
マスクの使用に関しても間違った理解が広がっているようです。感染予防にマスクを!ってよく耳にしますから無理もありません。職場でもマスクを強要するところがあるそうですね(そこは個人でうまく対処してください)。ですが本当にマスクを必要とする人々への供給が滞ってしまっては元も子もありません。
実際に厚生労働省やCDC(アメリカ疾病予防管理センター)の感染症予防に関するガイドラインのどこを見ても、感染予防のためにマスクを着用しましょうとは書かれていません。CDCでは健常者のマスクの着用を推奨しないと言っています。
論文を少し調べた限りでは、COVID-19に対するマスクの予防効果があるというものはありません。マスクの有無でインフルエンザウイルスの感染予防効果に有意差が認められないというものはありましたが。一般人でマスクを正しく使用できている人はほとんどいません。手でマスクを触ったり、鼻を出したり、長時間利用したり、再利用したり…使用方法を間違えると効果がないばかりか、かえって感染リスクを増大させかねません。保湿効果や口や鼻を手で触るのを防止できるという説もありますが、根拠は不明です。
【追記】情報は常に更新されます。現在は誰もが感染者であるという前提でマスクを着用するようにと指針が変更されました。
信用できる情報(リンクあり)
CDCガイドライン
個人レベルでできる感染予防措置
- 体調不良者との濃厚接触を避ける
- 手で目・鼻・口を触らない
- 体調不良時には自宅待機
- 咳やくしゃみの際はティッシュで口鼻を覆い、ティッシュはすぐにゴミ箱に捨てる
- 頻繁に触るものは、通常のクリーニングスプレー・シートを使ってこまめに拭き消毒する
- こまめに手洗を洗う(正しい方法で。水を利用できない場合は手指消毒用アルコールを使用)
マスクの使用について
- 感染予防のためにマスクを着用することは推奨しない
- マスクは、感染の症状が認められる人が感染拡大予防のために着用すべきである (不顕性感染が多いことがわかったのと感染が拡大したため変更された)
- 感染者と濃厚接触がある医療従事者や同居者もマスクの着用が重要である
詳しくはこちら(外部リンク:CDC COVID-19予防措置について。英語)
厚生労働省ガイドライン
- こまめな手洗い
- 普段の健康管理
- 室内での適切な湿度管理
詳しくはこちら:新型コロナウイルス感染症に備えて ~一人ひとりができる対策を知っておこう~ | 首相官邸ホームページ
情報に対する考え方
未知のものに遭遇してパニックになるのはわかります。でもいったん立ち止まって考える時間はあります。
自分が信じていること、メディアが報じていること、専門家が言っていること…本当に正しいですか?
いちいちその根拠となる論文を読んで自分で判断しろとまでは言いません(論文も専門分野のものを細かく読んだら疑わしいものもあります。論文と言ってもジャーナルによっては信用度が低いものもありますし、査読がないものだってあります。疑い始めたらキリがありません。)
せめて情報収集に責任を持っている厚生労働省やCDCなどの公の機関、依頼等を受けて真剣に調べている専門家(見極めが難しい)が提示する情報に基づいて、効果的な正しい感染症予防対策をしましょう。
【追記】情報は常に更新されます。現在は誰もが感染者であるという前提でマスクを着用するようにと指針が変更されました。それとマスク不足に伴い手作りマスクの着用を推奨しています。
感染予防のためにマスクをするかしないかは、正しい情報を知った上で個人で判断すれば良いと思います。決してマスクを着用する選択をした人を馬鹿にしたいとかそういうわけではありません!今後新しく研究報告があるかもしれませんし。この分野の専門家でもマスクを着用したいと考える人はいます。自分が感染のリスクがある場合はマスクを正しい方法で着用してください。
最後に。
この記事に書いたこと、そのまま信じましたか?
ウイルス学者なんてタイトルにそれっぽいこと書きましたけど、本職はウイルスの基礎研究をしている研究者です。コロナウイルスもかじっていましたが専門ではありませんし、基礎研究分野なので感染症対策方法は一般人よりは詳しいし調べる方法を知っているという程度です。
ウイルスとは言ってもいろいろな種類があって、全然キャラクターが違うんです。ウイルス学者って言葉に踊らされてそれっぽいことを書いてあるからといって情報を鵜呑みにしてはいけません。
自分と周りの人の身を守るには、今回の騒動に限らず、確かな情報源を自分で確かめる習慣を身につけるべきです。またこれをきっかけに普段自分が正しいと思い込んでいることやネットに溢れる情報を疑ってみることからはじめてみてはいかがですか。